グーグルが12月上旬から動画サイト「ユーチューブ」で始めたNHK番組の無料配信サービスが、放送業界で波紋を呼んでいる。グーグルは高額で取得したNHK番組をタダで配信。多くの番組が再生されるとグーグルの広告収入が増え、その一部がNHKに分配される契約になっているからだ。無料配信はNHK自身や民放が手掛ける有料配信サービスの脅威になる。加えて民放は、NHKが間接的にせよ広告収入を得れば、営利事業で制約を受ける公共放送の変質にもつながりかねないと警戒している。
インターネットの検索連動型広告などで潤沢な利益を上げるグーグルならではの大胆な条件提示だった。
NHK側が示された金銭面の条件は「ミニマムギャランティ(MG、最低保証額)で1億円」。これを対価にグーグルは「検索で上位にくるNHKの人気番組」の提供を求めた。契約期間は今年12月から3年で、パソコンを使う視聴者にユーチューブを通じ無料で配信する内容だった。
無料配信サービスのユーチューブ「NHK番組コレクション」はすでに始まっている。最終的な契約内容の詳細は不明だが、NHKは730本前後の番組提供に応じたようだ。
現時点でドラマや「NHKスペシャル」を5分程度に編集したショートクリップや、全編を見られる番組が掲載されている。開始1週間のアクセスは100万を超えたもよう。大河ドラマ「篤姫」の短編は再生回数が2万回に迫るなどまずまずの滑り出しだ。
NHK関係者は「配信番組の内容を考えると1億円はかなりの好条件」と見る。「実際に見られるのは、古いアニメやミニ番組中心」だからだ。
グーグルは契約の際にNHKの「人気番組」を求めたものの、必ずしも強くこだわっていないようだ。NHKというブランド力を呼び水に、ユーチューブの存在感をさらに高め、無料の各種ネットサービスを浸透させるのが真の狙いだろう。
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